とーどんの旅と本棚。

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新本格の潮流の一つの到達点――知念実希人「硝子の塔の殺人」

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帯が強すぎる。

今回紹介するのは、今年七月に発売されて話題となった知念実希人さんの、

「硝子の塔の殺人」です。

 

知念先生は近頃Twitterでコロナに関する情報や、正しいワクチンに関する認識を

常々発信されております。

私自身もよく先生のツイッターをチェックさせていただいていたこともあり、

「凄い面白そうな本が発売されそう!」と前々から期待が高かった一冊です。

 

帯にずらっと並ぶ名前とコメントの破壊力高すぎませんか?

新本格の先駆けとなった島田荘司先生と綾辻行人先生がドカンとコメント寄せているだけでもう買うしかなかったですね。

特に島田先生のコメントの火力が高すぎる。

 

ついでといったらアレですが表紙の絵もとても美しいですよね!

硝子の塔と雪と月という単体でも映えるものを組み合わせて一層幻想的な世界を描いているこのイラストは素晴らしいです。本当に。

 

あらすじ

硝子の館の主、神津島太郎に対して殺意を持つ医師の一条遊馬は、神津島より硝子の館に招待される。一条は神津島の殺人を目論むが、招待されたメンバーの中には探偵を名乗る碧月夜が存在しており――

 

といった感じです。何書いてもネタバレになりそうなのでこの程度に留めておきます。

 

みどころ

期待を裏切るギミック満載のミステリへのリスペクトに溢れた一冊。

 

どんでん返しっていうか根底から覆って再構築される感じです(語彙力)

 

もう何言ってもネタバレになる気がするので詳しくは言いませんが、

決定されていたと思っていた事項が覆り、誰も予想できないような結末へと物語が収束します。

 

流石にその展開は読めんて。

 

この本にも、読者への挑戦状が付属しているのですが、

誰が分かるかって感じでしたね。

 

普通挑戦状があったら色々考えてみるじゃないですか?

僕もそのタチで絶対挑戦状あったらページ遡って考えるんですよ。

 

今回は完全放棄しました。

 

「この意味不明な情報から何をどう予測しろと⁉」ってなりました。

あの段階で率直に展開読める人がいるのかが気になる。

 

この物語のギミックも素晴らしいのですが、帯にも仕掛けがあるのが面白いですね。

読み終わってから帯のコメントを見ると。「そういうことか!」ってなるんですよ!

結構コメントの真意に気付いたらニヤつけると思うので帯があるうちの購入をお勧めします!

「この先生可愛いかよ」ってなること請け合い。

 

おわりに

本の構成、トリックなどが非常に匠で末永く読まれる作品になりそうです。

(上述した帯のギミックが楽しめるのは今だけかも)

早く読んどいて損はない作品だと思うので、今のうちに読むことをお勧めします!

本屋大賞ノミネートはされるでしょう!多分!

 

それでは。