前作mediumからの期待を裏切らない、読者への挑戦が嬉しい倒叙集――相沢沙呼「invert 城塚翡翠倒叙集」※ネタバレなし
今回は今年発売された「invert 城塚翡翠倒叙集」の紹介です。
このinvertの前作、mediumを読んで頭を殴られるほどの衝撃を受けたので、
滅茶苦茶に高い期待のもと購入しました。
結果として、期待を裏切らない面白さでした。
ネタバレに気を配って紹介したいと思います。
※前作のmediumを読んでいない人は絶対にmediumから読んでください!
前作のネタバレをinvertは多大に含みます。
内容
霊媒探偵である城塚翡翠が、事件を解決していく物語です(小並感)
ネタバレ伏せて紹介するの凄い難しくないですか?特にミステリーって。
こんなゴミカスみたいなあらすじでしか僕は表現できませんが面白いんですよこれ!
この本は「雲上の晴れ間」「泡沫の審判」「信用ならない目撃者」の三本立てです。
そして、三本全部に読者への挑戦状がついています。これは美味しい!(意味不明)
とても個人的な感想
やっぱり挑戦状がついてくるタイプのミステリーって対抗したくなるじゃないですか。
作者の考えを読んで真相にたどりついて一人でドヤ顔したいじゃないですか。
蹴散らされましたね。
この作品は倒叙集なので犯人側の視点で語られる訳ですよ。
だから犯人がどこで解決につながるようなポカをやったか目を皿のようにして描写を探すんですよ。
見つからねえのな。これが。
どうも私の足りない知能では作者の思考を読むのに数十年の研鑽が必要なようです。
我慢できず解決編を読んで「なるほど!」と膝を打つ×3でしたね。
もう一種の脳トレとして楽しめるんじゃないかな。この本。
そして、相も変わらず伏線がエグいです。読み終わった後に
「この部分も伏線やったん!?」てなります。絶対。
特に最後の章、「信用ならない目撃者」は素晴らしいです。ハラハラです。
前作を踏襲しつつも、新しい形で前作のキャラクターを動かしきったよい作品でした!
前作についてもいつか感想書きてえなぁ……
それでは。